メルボルンではトラムに無料で乗れるという話は聞いたことがありますか?
実際に、メルボルンでは無料で乗車可能なトラムが運行していますが、無料で乗車するためには区間の制限があり、住む場所によては恩恵を受けることが出来ない場合もあります。
乗りこなすことが出来れば、快適なメルボルンライフを送れますが、その反面、乗り方を間違えると罰金の可能性もあるので、ルールを把握しておくことはとても重要です。
そんなトラムについて、まとめてみようと思います。
トラムとは
そもそもトラムというのは、日本でいう市街電車・路面電車のことです。
無料でトラムに乗れるって本当?
留学エージェントの話でよく耳にするのが、メルボルンは無料のトラムが走っているので交通費が安く済みます。という文言ですが、こちらには、注意が必要です。
というのも、メルボルンのトラムに無料で乗れるのは、一部区間のみだからです。
この区間というのが、後述する「Free Tram Zone」というものになります。そのエリア外では、無賃乗車扱いになり、インスペクターに見つかると罰金が課される場合があります。
Free Tram Zone について
「Free Tram Zone」って、結局どの範囲なのかという疑問を持つ方は多いかと思います。結論から言うと、下記画像の緑色に着色されたエリアが無料区間となります。

無料で乗車できる条件として、無料区間内から乗車して、無料区間内で降車する必要があります。
もし、乗車・降車のどちらか一方でも無料区間から出る場合には、Mykiカードによる決済が必要になります。
Zone1, Zone2とは?
Mykiついて調べていくと、Zone1やZone2といったワードを目にすることがあります。ヴィクトリア州では、郊外の活性につながるように、ゾーンを分けて田舎では料金が安くなるようにしています。
大まかに分けると次のような区分けになります。
- Free Tram Zone
メルボルンの中心街
無料 - Zone1
メルボルンの中心街付近
有料 - Zone2
メルボルン郊外
有料 – 割安
そして、ゾーンを跨ぐ場合には、高い方の料金が優先されます。
つまり、Zone1の料金になるということです。
詳しい料金体系については、料金体系についてで解説していきます。
Mykiカードについて
乗車にはMykiカードが必要
メルボルンの公共交通手段としては、トラムの他にも電車やバスが利用されています。
それらの乗り物は共通して、Mykiによる支払いが必要になります。なので、メルボルンに来たら、先ずMykiカードを購入することをおすすめします。

Mykiカードの購入方法
Mykiカードは、空港・セブンイレブン・各所にある券売機等で購入可能です。Mykiカードは、日本のSuicaのようなもので、購入したMykiカードにお金をチャージして使用します。
また、Androidユーザーはモバイルカードを作ることが出来ます。
Mykiカードの残高はPVTアプリで確認ができます。アプリでは、トラムの運行状況の確認や、入金もできるので便利です。但し、アプリでの入金から使用可能まで数日かかりますので、すぐに必要という方は、券売機やコンビニでの入金がおすすめです。

Mykiカードの種類
Mykiカードには二つの機能があります。
- Myki Pass
- Myki Money
「Myki Pass」は、定期券のようなもので、利用したい日数分のMyki Passを購入することで、有効期間内であれば、乗り放題になります。メルボルンに長期間滞在する予定がある場合にはこちらがおすすめで、期間が長いほど料金が割安になり、28日以上が最割安になります。
「Myki Money」は、チャージした残高に対して、乗車した分だけ残高が減っていきます。ただ、日本の鉄道やバスとは仕組みが異なるので、注意が必要です。次の料金体系についての段落で解説していきます。
Myki PassとMyki Moneyを両方持っている場合には、Myki Passが優先されます。
どちらの方が安くなるかというのは、その人のライフスタイルによって変わってくるので、自分に合った方を選択すると良いでしょう。
料金体系について
料金については、Myki Pass と Myki Money では大きく違うので、それぞれ解説していきます。
また、学生や高齢者は割安で乗車できる制度がありますので、条件に当てはまる方はそちらを利用するとお得です。
Myki Passの料金体系
1週間(7日)の料金
Weekly rate 7 day pass | Zone 1+2 | Zone 2 |
---|---|---|
Full fare | $53.00 | $33.00 |
Concession | $26.50 | $16.50 |
28日以上の場合の料金
Daily rate for 28-365** | Zone 1+2r | Zone 2 |
---|---|---|
Full fare | $6.36 | $3.96 |
Concession | $3.18 | $1.98 |
Myki Moneyの料金体系
Myki Moneyの場合は、乗車区間と、時間によって料金が変わります。
時間内であれば、何度乗っても同じ料金なのが、日本のシステムとの大きな違いです。
2時間以内の料金
時間というのは、Mykiカードをタッチしてからの時間のことで、最初にタッチしてから2時間の間は下記の料金で乗車できます。
2 hour | Zone 1 + 2 | Zone 2 |
---|---|---|
Full fare | $5.30 | $3.30 |
Concession | $2.65 | $1.65 |
2時間以降の料金
同じ日の内で、最初のタッチから2時間以上経過後に、再度乗車する場合には下記の料金になります。
Daily | Zone 1 + 2 | Zone 2 |
---|---|---|
Full fare | $10.60 | $6.60 |
Concession | $5.30 | $3.30 |
休日の料金
休日は通常よりも割安で乗車できます。
Other ticket / caps | Full fare | Concession | Seniors |
---|---|---|---|
Weekend daily cap | $7.20 | $3.60 | – |
Public holiday cap | $7.20 | $3.60 | $3.60* |
PassとMoneyどっちがお得?
- Myki Pass の方がお得になる人
- Zone1,2に住んでいる人
- Free Zoneに住んでいるが、Free Zone外に職場がある人
- Myki Money の方がお得になる人
- Free Zoneに住んでいて、Free Zone内からあまり出ない人
- 偶にしか、トラムを利用しない人
その人のライフスタイルによって、料金が変わるので一概にどちらの方がお得というのは難しいですが、トラムに乗る頻度、時間、区間等を総合的に考えて比較することはできます。計算するのが面倒という方は、Myki Passを買っておけば間違いないかと思います。
トラムの乗り方
基本的な乗り方は、公式サイトやアプリ、路線図等で、経路を調べて、目的地まで行けるトラムに乗るということになります。降りる時には、目的地の手前でボタンを押して、降りたいということを運転手に伝えます。

また、乗車・降車する際に、Mykiのタッチが必要な場合があります。

画像下部の機械にカードをかざすと、タッチオン・タッチオフができます。また、上部の赤いボタンを押すことで、降車の意思を運転手に伝えることができます。
Mykiのタッチが必要な場合
- Zone1で乗車する場合、または、Zone2で乗車して、Zone2以外で降車する場合
- 乗車時にタッチオンします
- 降車時のタッチオフは不要
- Free Zone から Zone1に行く場合
- 乗車時にタッチオンする。または、Free Zone 内の最後のストップでアナウンスがあるので、無料区画から出る前までにタッチオンする
- 降車時のタッチオフは不要
- Zone2で乗車してZone2で降りる場合
- 乗車時にタッチオンして、降車時にタッチオフする
- 降車時にタッチオフしないと割引が適応されない
Mykiのタッチが必要ない場合
Free Zone 内の移動であれば、タッチは不要です。
誤ってタッチしてしまった場合、通常通り料金が引かれてしまうので注意が必要です。
無賃乗車を取り締まる「インスペクター」
トラムに載っていると、黒い制服を着たインスペクターが乗車してきて、Mykiカードの確認をされることがあります。この時に、タッチオンするのを忘れていると取り締まりの対象となってしまい、取り調べを受けて、後日、警告または罰金が課せられます。
ですので、有料区画で乗車する際には、必ずMykiカードをタッチオンするのを忘れないようにしましょう。
初犯であったり情状酌量の余地があれば、警告で済むとの話もありますので、捕まってしまった際には正直に話しましょう。
運行時間
運行時間は、PTVアプリやGoogleMap、停留所等で確認ができます。
土日祝は運行時間が違うのと、偶に工事の関係で運行しない区間があることもあるので、注意が必要です。
メルボルンでは、日本と違い夜間の運行もあります。ただ、路線が限られていたり、週末限定だったりするので、最新のタイムテーブルをチェックするようにしましょう。
画像のような月のマークがある停留所は夜間運行がある停留所です。

まとめ
メルボルンにおいて、重要な移動手段でもあるトラムですが、正しい乗り方を知らないと損したり、罰金を課せられてしまうこともあります。私はトラムの乗り方についてあまり調べずに来てしまったため、使いこなす迄にかなり時間を要してしまいました。その為、メルボルンにお越しの際は、事前に調べておくことをお勧めします。
余談ですが、オーストラリアでは交通費が支給されないことがほとんどです(寧ろ自己負担が当たり前です)。就労目的でオーストラリアへ渡航される方は、予算に交通費も入れておくと安心かと思います。